profile image

材料表面の原子層制御工学社会連携講座2022.7.17

建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリングの開発社会連携講座

地震や台風などの自然災害の多い我が国において、安全・安心な社会を構築するためには、都市を構成する建物や道路等の社会インフラの安全性を高めていくだけでなく、それらの施設が「安全であること」あるいは災害時などに「継続使用の可否」が即時にわかり、次の行動に確実に繋げるシステムが実装されてることが必要である。本プロジェクトは、これまで社会施設のモニタリングに利用されてこなかったミリ波センサを活用し、都市を構成する建物や橋梁などの社会施設の安全性をリアルタイムで判定する社会実装可能な技術を開発し、安心な社会の実現に資することを目的とする。

 

近年、BCP(事業継続計画)の普及など、災害時における施設の継続使用の可否判断に対する社会的要求が高まっており、モニタリング技術の開発研究が盛んに行われるようになっている。ただし、例えば一つの小都市に値する人口を擁するような大規模・超高層建築においても、わずか数台の加速度計を用いた計測によって「損傷を受けていないこと」を判断するレベルに留まっており、構造性能に関する情報をより高密度で詳細に計測・分析する技術の確立が求められている。また、災害時の損傷に加えて、道路橋等では腐食や疲労のような経時的な劣化事象についても詳細な計測・分析技術が求められる。

本プロジェクトでは、ミリ波センサを用いて計測する部位および現象ごとに、実験室での要素レベルでの計測実験から始め、建物や橋梁などの計測における課題の抽出と解決を図り、ある程度計測技術の適用性が見えてきたところで、東大構内の建物や、実際の橋梁などの社会施設を用いた計測を行い、観測データを取得する。観測は、加速度計など比較用のセンサ類も併用することで、データのキャリブレーションを行っていくとともに、ミリ波センサの優位性が示せる利用法を見出す。あわせて、実際の施設に設置しデータを計測していく中での課題の抽出と解決を図る。

観測データが得られ始めたところで、安全性等の評価につながるデータの分析に着手し、機械学習等の手法の活用を視野に入れ、関連する分野の研究者と協力し、評価法の構築に取り組み、社会実装可能な基盤技術の構築を行う。

また、学部および大学院において、社会施設の健全性モニタリングに関する講義を通じて、関連技術を理解した学生を輩出していく。

メンバー

  • profimg_21_山田哲

    特任教授(兼務)

    山田 哲 (Satosh YAMADA )

    建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリングの開発社会連携講座

  • profimg_22_長山智則

    特任教授(兼務)

    長山 智則 (Tomonori NAGAYAMA)

    建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリングの開発社会連携講座

  • profimg_23_伊山潤

    特任教授(兼務)

    伊山 潤 (Jun IYAMA)

    建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリングの開発社会連携講座