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ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座2022.7.17

ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座

高機能材料の開発速度を飛躍的に高めることは、産業発展に対して極めて重要です。これまで、材料開発は実験によるトライ&エラーの繰り返しによるものでしたが、近年のコンピューターパワーの向上、シミュレーション技術・インフォマティクス技術の発達に伴い、目的物性を有する材料の提案技術、いわゆるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の成功例が多く報告されるようになってきています。


一方で、MIを材料開発で広く活用するためには乗り越えなければならない課題も多くあります。その課題の一つとして、高品質な材料データの収集・蓄積という課題があります。目的変数と説明変数の関係を見出すためには大量のデータが必要となりますが、各国で整備されているデータベースでも十分なデータ量が確保できているとは言えない状況です。データ収集の作業に労力と時間を要するため、研究機関や産業界が生成した材料データを効率的に収集・蓄積する仕組みを構築することが必要です。その際の材料データの質の担保も重要な課題になります。


MIにおける課題の一例を挙げましたが、MIが様々な材料開発で活用されるようになるためには、これまでの材料開発で用いられている実験やシミュレーションなどとの統合が必要と考えています。現状のMIの技術水準では、材料開発において適用できる範囲は限定的であり、研究開発現場の課題解決に直接繋がらないケースもあると思われますが、将来的にはMIが研究開発現場で重要な役割を果たすようになるのは間違いないはずです。MIを活用する際の課題となるデータの創成や統合に関わる新たな技術開発がこの講座の取組みです。


また、技術開発とともに、化学、機械、情報等多岐にわたる分野を横断して統合的な技術開発を進めることができるリーダー人材の育成も重要な課題と考えています。

上記の背景から、本講座では


(1)化学、機械、情報の各分野の技術を統合し、材料提案技術を確立するのに必要な新技術開発についての研究を行います。
・目的とする物性の分子シミュレーション技術の開発
・高品質な材料データの収集や蓄積を行える新システムの開発
・機械学習による予測モデル開発
など。


(2)研究指導を通じて、材料開発のインフォマティクスに精通した人材育成を推進します。


(3)研究体制としては、複数の研究科、研究所、研究機構の幅広い人材と協力し、かつ、様々な材料を活用する民間企業とも連携をし、技術開発を目指します。

 

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メンバー

  • 塩見 淳一郎3

    特任教授

    塩見 淳一郎 (Jyunichiro SHIOMI)

    ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座

  • profimg_17_岡田慧

    特任教授

    岡田 慧 (Kei OKADA)

    ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座

  • profimg_18_吉江尚子

    特任教授

    吉江 尚子 (Naoko YOSHIE)

    ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座

  • 山田 崇恭3

    特任准教授

    山田 崇恭 (Takayuki YAMADA)

    ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座

  • profimg_19_浅野悠紀

    特任講師

    浅野 悠紀 (Yuki ASANO)

    ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座

  • profimg_20_許斌

    特任助教

    許 斌 (BIN XU)

    ポリマー材料開発の次世代統合工学社会連携講座